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メキシコ国境の町、シウダードフアレスには何があるのか

メキシコとアメリカの国境にはいくつかの都市が点在している。その中の1つであるシウダードフアレスはメキシコのチワワ州にあり、10年程前には活発に活動する麻薬カルテルが存在する危険な都市として注目されていた。フアレスでの殺人件数はもっとも多かった2008年頃には年間3600件ともいわれ『殺人の都』とまで言われるほどの危険な都市だった。いっぽう国境を越えた向かい側のアメリカ、テキサス州のエルパソは全米一安全な都市といわれている。この両極端な都市が隣り合わせになっているこのエリアは一体どんなところなのだろうか。私はメキシコに住んでいた頃に何度かこのエリアを訪れているので、その時の写真とともにこの街の魅力を探ってみようと思います。

f:id:soymaquita:20180315223728j:plainPhoto− I Love Juárez - ホーム | Facebook

● フアレスは砂漠の中にある町

シウダードフアレスはメキシコシティから飛行機で約3時間半。アエロメヒコをはじめ、LCCのInterjet(インテルジェット)やVolaris(ボラリス)なども就航している。飛行機の着陸前に窓の外をのぞいていると、この町が砂漠の真ん中にあるのがよくわかる。

この町はとくに大きな見どころもなく、わざわざ観光でやってくる人はほとんどいないのだろう。観光施設や交通機関などはあまり充実していない。

● このエリアのハイライトは国境

しかし島国に住む日本人からすると、陸続きに国境を越えられるというだけで価値のある観光スポットとなる。私もフアレスにきたらまずは国境を越えてアメリカへ渡ってみたいと思っていた。フアレスとエルパソ間の国境ゲートは何ヵ所かあるようだが、フアレスのセントロ(旧市街)とエルパソのダウンタウンを結ぶPaso del Norte(パソ・デル・ノルテ)という国境ゲートがいちばん観光にはポピュラーで、メキシコとアメリカを徒歩で行き来するのに利用している人が多いようだ。

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国境を歩いて渡っているとこのような光景に出会える。

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アメリカへ向かう車。メキシコからアメリカへ向かうゲートはいつも渋滞している。クリスマスやバケーションシーズンになるともっと渋滞は激しくなるようだ。

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国境に流れる川リオグランデ。国境の川というと滔々と流れる大河のような険しいものを想像していたのだけど、砂漠の中でなんとか干上がらずにがんばっている感じの漂った川だった。

● 国境イミグレーションでの手続き

メキシコからアメリカへ入国する場合は、日本からアメリカへ入国するのと同様に入国管理局で審査を受ける。その前に出入国許可証(I-94W)を6ドルほどで購入し必要な事項を記入しておく。アメリカ入国時にカードの半分を切り取られて残り半分の出国カードを返されるが、これはメキシコへ戻る際に返却しなくてはいけないもの。アメリカからメキシコへの入国はほとんど何もチェックされることなくあっさりと通過できてしまうので、出国カードを返しそびれないように気をつけよう。 

● 地元の人たちの楽しみは夜遊び

私は友人がフアレス出身なので何度か訪ねに遊びに行ったのだけど、その友人は「フアレスでの楽しみは夜に踊りに行ったり飲みに行ったりすることぐらいしかない」といつも言っていた。あとは私がつけ加えるのならば、車があればエルパソに大きなショッピングモールがあるので買い物を楽しめるぐらいだろうか。

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フアレスのクラブやバーが建ち並ぶエリア。

クラブなどの夜遊びスポットはメキシコのどの町とも変わらない。音楽が大音量でなり響き、となりの人たちともすぐに打ち解けみんなで飲んで踊る。しかし夜中の2時にはどこも閉店してしまうので意外と健全な感じがした。たしかに安全とはいいきれない町なのだから、それぐらいの規制があって当然なのかもしれない。

むしろはじめはこの危険な町で夜遊びできることの方が驚いた。でも夜遊びぐらいしか楽しみがないこの町でそれができなくなってしまったら、考えてみたら地元の人にとってはとても酷な話だ。

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クラブ閉店後の国境ゲート。通過するまでに2時間近くもかかり、とても驚いた。これじゃあ東京で週末に飲みに行ったあと、超満員の終電で帰るのと同じぐらいに興ざめしてしまう。しかしこれほどの人たちが週末になるとメキシコへ遊びにきているということは、エルパソの夜遊び事情はよほど退屈なのかもしれない。

● 国境はいらないのではないかと思ってしまう

フアレスに住むメキシコ人の友人は毎日国境を越えてアメリカへ通勤している。システムエンジニアの彼にとってはアメリカの方が条件よく働けるのだろう。それでも仕事以外の時間はメキシコで過ごす。また、エルパソに住む彼の友人もアメリカで働いているが遊ぶのはメキシコだ。物価の違いをこうやって国を越えながら仕事と生活で使い分けているのもこのエリアならではの習慣であり、他のメキシコの町では感じることはできない。

いちいち国境を超えるのは本当に面倒だ。いらないのではないかと思うけど、やはり当然だけどメキシコはメキシコで、アメリカはアメリカ。国境があるからこそこのエリアの独特の習慣が成り立っている。それがまた島国日本で生まれ育ったものとしてはこのエリアの魅力にも感じてしまう。

● 映画などで膨らんでしまった町の悪いイメージ

近年のメキシコ麻薬抗争をテーマに、シウダードフアレスを舞台にした映画などもいくつか存在するけども、フアレスがとても怖い町であるかのように描写されている。確かにそういった事件が起こっているのは事実なのかもしれない。でも私が訪れた感想では怖いことなど何もなくたくさんの人々が普通に生活していて、他のメキシコの町と変わらない。私の友人も「フアレスは世界中で怖い町だと言われているけども、それは映画などで作り上げられたイメージが膨らんでしまっているだけだ」と言っていた。

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国境近辺から歩いてくると、通りの光景は少し寂しげだった。麻薬抗争が始まる前までは、フアレスの通りはアメリカからの観光客で大変にぎわっていたそうだ。

● 異なった世界が隣り合わせに

フアレスは悪いイメージばかりがついてしまい敬遠される都市となってしまったけども、もともとは普通の平和な町だったはずだ。決して悪いところではない。

そしてここに以前から住む人たちは何も悪くないが、それを受け入れて生活するしかない。恐いとは口にしないけども、心の中では危険な町で暮らしていることを認め、恐怖と隣り合わせにいることを感じながら生活しているのかもしれない。

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エルパソ側からみた夜景。手前がエルパソで奥側の灯りが密集している部分がシウダードフアレス。国境をはさんで全く異なった世界が隣り合わせになっている。いろいろなことに思いを馳せ、ロマンを感じるひとときだった。

この街にはロマンという大きな魅力がある。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。 

 

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